ニホンザルの魅力

多摩動物公園といえば、ライオンバスやコアラ、レッサーパンダなど、スター級の動物たちが目白押しですよね。そんな華やかな顔ぶれの中で、あえて今回はニホンザルたちに注目したいと思います。
「ニホンザル?ああ、いるね」そんなふうに通り過ぎてしまう方も少なくないかもしれません。実際、彼らのグッズはほとんど見かけませんし、派手さでは他の人気動物たちに軍配が上がります。
でも、なぜか彼らの姿は心に深く残るのです。そう、まさに“通好み”という言葉がぴったりの存在感。
デフォルメされたマスコットにはなりにくい、ありのままのリアルな姿。だからこそ、彼らの生態や群れの関係性、そして一つひとつの表情はとても「観察向き」。静かにじっくり見つめることで、その魅力がじわじわと染み込んできます。
もしかすると彼らは、「あまり構わず、そっとしておいてほしい」と願っているのかもしれません。こちらもまた、過剰な“推し活”ではなく、ただ静かに、ありのままの姿を見守りたくなる……そんな控えめな愛着を感じさせてくれるのです。
印象に残った行動
多摩動物公園のニホンザル展示で、初めて見たとき驚いたのが、脱毛している個体が何頭かいたこと。思わず目を引かれるも、その原因は分かりませんでした。コンクリートに囲まれた施設環境の影響なのか? あるいは群れの中の行動によるものなのか?
公的な説明は見当たらず、同じような疑問を抱いた人も多いはず。でも、よく観察していると、毛繕い(グルーミング)の際に毛を引き抜くサルがいて、抜かれた方がビクッと反応している場面も。
「なるほど、こうやって抜けるんだ」と思うと、そこにも個性や関係性の奥深さが見えてくる。
静かだけれど確かな存在感
派手さやアイドル性ではなく、ホッとする魅力。それが多摩動物公園のニホンザルたち。
彼らの姿には、観察するほどに惹かれてしまう、不思議な「静かな強さ」があります。にぎやかな動物たちの中で、ふと心を留めてくれる存在。そんな彼らの姿を、ぜひ一度ゆっくりと見つめてみてください。
【潜水するニホンザル】
多摩動物公園 公式動画(東京ズーネットYouTube)
多摩動物公園では、動物の生態や裏側に迫る公式動画を東京ズーネットのYouTubeチャンネルで配信中。インドサイの出産やゾウの泥浴びなど貴重な映像が満載です。
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