トムの時間

トムという存在

トムは多摩動物公園で暮らすアフリカゾウのオス。
現在は1頭で過ごしており、広い放飼場のなかを自分のペースで歩く。
耳をゆっくりと動かし、地面を嗅ぎ、時おり長い鼻で土をすくう。

人が多い日のトム

休日になると、放飼場の前は多くの来園者で賑わう。
トムはときどき、糞や砂を来園者の方に向かって投げることがある。
警戒やストレスのサインなのか、混雑の中ではトムが少し距離を取りたがっているようにも見える。
人の多さに合わせて、観覧スペースが遠くなる日もある。
でも彼はしっかりと人を見ているように感じる。

平日、放飼場の前は驚くほど静か。
木漏れ日の中で、トムは土をかけたり、水を浴びたりして過ごしている。
その姿を見ていると、時間の流れもゆるやかなり気持ちもほぐれていく。

動物園で暮らすゾウたちには、それぞれの時間がある。
静かで、少し孤独で、それでも豊かな時間。

撮影機材:Canon EOS R5 Mark II

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